バキマイストーリー

自分の人生を振り返りながら、苦しかった事、辛かった事、嬉しかった事と向き合って綴って行きたいです。

義理の兄と秘密の友情

3年生に上がり、

後藤や佐々木以外の交友関係も増えつつあった。いや、むしろ彼等はコミニケーションを取るのが苦手な部類だった様でグループが分かれてしまった。

気がつくと勉強嫌いになってしまったが運動能力は高くてわんぱくなグループに所属する様になっていた。

運動会では常に1位を取るほど足が早かった。

2年生の頃は良く上級生からも虐められていた。

集団登校中にリュックを奪われて、俺に取り返されない様に囲まれてリュックをパスしあってる身体の大きな上級生達を見て(なんでこんな事するんだろ)と悲しくなったものだ。

喧嘩は身体が小さくて未だ勝てないし何よりも肉体が傷付くのは痛くて嫌だった、その時は泣く泣くリュックを諦めて、知らないマンションの屋上へ逃げ込んで1人泣いて居ると、学校まで送り届けないといけないのにと困った上級生達が探し回って居るのを知って(そうか、体格で勝てなくても困らせる方法があるんだって)学校でのサバイバルスキルが身について行った。きっと良い方法ではないけど、この頃の俺が生き残る為には必要な方法だったんだ。

3年生になった僕は怖いもの知らずだった、

クラブ活動で筋力も付いて運動能力が凄く跳ね上がったと思う、とにかく足が早かった。

スポーツテストでも50M走はこの頃で7秒台だったと思う。ちなみに6年生の頃は陸上部でのタイムは50Mが5.8秒だったのを覚えてる。が、、正式な競技になると100M走になる。そうなると一気に失速して、11秒台になってしまうのだ、それを先生は見越して俺には跳躍選手を勧めたので高跳びの選手に抜てきされて区の代表にはなれた。

話は戻るが、

とにかく足の速い俺は、上級生なんて目じゃなかった。体格では勝てないので、とにかくヒット&アウェイ、石や犬の糞を投げつけては距離を置いて逃げると言う戦法が見事に上級生に刺さったのだ。

普段から鬼ごっこやドッヂボールでも瞬発力も凄く良かったので誰かに捕まる事もまず無かった。

このお陰で誰からも虐められる事はなくなったのだ。この学校では力こそが絶対だった、じゃないと虐められる、とにかく俺は生き残る事に必死だった。

そんなある時、気がつくと家に知らない叔父さんがやって来た。

義父の息子(直人)だと言う、義理の兄になる為その人の事を俺は「お兄ちゃん」と呼んだ。一緒の部屋で寝泊まりする事になり、俺はベッドで寝ていたが正人は下に布団を引いて寝ていた。たまに気を使ってリビングで寝てくれてたりもしていた。

直人は見た目が坊主でメガネをしており身体は細身でヒョロっとしていた、それでも俺には大人に見えていたが年齢は20代中頃だろうか、

俺に対してはとても優しい義兄だった。

ただし、母に対してだけとても厳しく当たる事があり、幼心ながらその時だけはいつも義兄に対して殺意を抱いたものだ。(だって俺の大事な母を傷つけるのだから耐えられなかった。)

ある日。直人と母が台所で言い争いをしていた。

その兄を止めようとした時に「あっち行け」と突き飛ばされた俺に、母が「バキに手をあげるのはヤメテ!!」と叫んでいた。

俺は兄の力に勝てなくて部屋に押し戻され扉を閉められた。

その後に台所で大きな食器の金属音や、皿が割れる音がしながら母が泣きながら「ヤメテー!」と助けを求めている、俺の名前を呼んでいる…だけど力で勝てない無力な自分は何も出来ず扉の向こうで叩かれて泣いている母と一緒になって泣く事しか出来なかった。ホントにホントに悔しくて仕方がなかった、、

※6/13(火)このシーンを思い出して書いている時に過呼吸になりフラッシュバックして大泣きしてしまった。

そして、この時の記憶を僕は書き換えた、包丁を持って母を救おうとしたって、何も出来なかった訳じゃないって、、嘘の記憶にして蓋をしたんだ。

3年生は自分にとって大きなターニングポイントが沢山あった。

その年の春休みの後か夏休み前だったか(記憶が定かではないが、

学校の帰りに真横にある公園を通って帰ろうとした時だ、見掛けない子が1人砂場で砂遊びをしているのを、何故だか気になった僕は一緒に砂遊びを始めた。

特に会話をする訳でもなく、同じ砂場で山も作って川を流して気がつくと夕暮れ時になるまで2人で作業をしていて凄く楽しかった記憶がある。

その翌日、隣のクラスに転校生が来たとの事で昼休みに見に行くと砂場で一緒に遊んだその子だった。

彼と出会って2年後くらいに違う男性と母親が結婚し海堂(カイドウ)と言う名前になる、彼の家庭環境も複雑だった母親が俺と同じ水商売だったし同じ様にマンションの鍵っ子だった。

海堂は学校の目と鼻の先のマンションに住んでおり、直ぐに仲良くなった2人は学校帰り彼の家に行く事になった。

海堂のマンションは1LDKの間取りで自分の部屋は無くリビングの片隅に彼の勉強机が置いてあったと思う、そのリビングの襖の先に両親の寝室があり、うちの母の様に化粧台が置いてあった。(僕のマンションはURで2LDKだから彼の家が少し狭く感じた)

彼は麦茶をコップに入れて俺に出してくれた、それを飲み干すと程なくして彼はこう言った。

「ねぇ、SEXって知ってる?」

と、3年生の僕には何の事だか全く分からなかった。

後編へ続く。